合気道の稽古について
 
  合気道は武道ですからどんな場所、どんな体勢で相手の攻撃を受けても
一瞬に相手を倒すことができなければなりません。しかし、本来の合気道の目的は
正勝吾勝といって、正しい事を実行し、自分に勝つことにあるのです。
修行中の自分を磨く砥石として投げられ、投げ、投げられつつ修行していくのです。
そして、愛と和合と真心によって正しい心身の持ち主を一人でも多く育てあげ、
世に送り出すことにあるのです。
どの技も合理的で、求心力・遠心力による円転流れるが如き動きにより、相手の攻撃に対し
入身の極意でもって死角に入りつつ技をかけます。そして左右交互に稽古して、得手・不得手
をつくらないようにします。この左右交互の稽古は合気道独特のもので、平常あまり使って
いない不得手な方の神経を活発に働かせ低かった能力を高めます。

合気道は相手の押してくる力、引いてくる力に自分の力を合わせるように技を施すため、
体格体力の大小強弱、男女、年令にこだわることなく、稽古も過激にならないで誰にでも
できる訳です。また通常の稽古は純粋武道ですので試合形式によらず、自ら取り(技を行う者)
受け(技を掛けられる者)になって形を反復稽古しながらこれを身につけ、
実際役立つようにします。
それゆえに勝負にこだわったり、優越感から慢心をしたり、
敗北感、劣等感におそわれたりすることがありません。
 
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